カルチャー

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『ドキュメント パナソニック人事抗争史』

『ドキュメント パナソニック人事抗争史』を読んだ。なぜあいつが役員に?なぜあの男が社長なんだ?人事がおかしくなるとき、会社もおかしくなる。元役員たちの証言で名門・松下電器の裏面史がいま明らかに。読んでいるとどんどん恐ろしくなってくる。非常に...
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苦しさを乗り越えるコツを知る:坂口恭平『苦しい時は電話して』

坂口恭平さんのことはしばらく前からTwitterでフォローしていて、電話番号を公開していることなど、自殺を防ぐ活動をされていることは知っていた。ただ、そこまで直接的に自分の状況が坂口さんが防ごうとしている状況と重なるとは思っていなかった。い...
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多様なケアのかたちから紡がれる希望:エマ・ドナヒュー『星のせいにして』

エマ•ドナヒュー『星のせいにして』を読了した。とてもとても良かった(ここ最近忙しくて自分を見失っていたから、まとまった時間がとれて読書ができたということも大きいかも)。『星のせいにして』は、スペイン風邪の流行下、アイルランド、ダブリンの産科...
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人外のコトワリで怪の輪郭を描きだす:加門七海『船玉さま 怪を書く怪談』

加門七海の『船玉さま 怪談を書く怪談』を読んだ。加門七海は『怪談徒然草』がとてもよかったので、新しい本を見つけたら大抵買っている。実はエッセイ的な実話怪談から入ったので、過去作の伝奇ものは気になりつつも、まだ読めていない。『人丸調伏令』面白...
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システム思考で愉しむ怪:吉田悠軌『現代怪談考』

小学校の学級文庫になぜか「アマゾンの不思議」みたいな本が置いてあって、半魚人がいる!とか、ピラニアに人が襲われた!とか、いま考えると「嘘でしょ」って話が石原豪人みたいな挿絵とともに満載の本が置いてあって、夢中で読んだことを憶えている。多分そ...
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日常ってこわいよね、と語りかけられる:川上未映子『春のこわいもの』

川上未映子さんの『春のこわいもの』を読み終えた。6編が収められた短編集。 妻が妊娠・出産の際に『きみは赤ちゃん』を読んでいて勧めてくれたり『早稲田文学増刊 女性号』を読んでいたので、新刊が気になり読んだ。『春のこわいもの』について感染症大流...
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濃密な時間だったこと以外ほぼ憶えてられない。けど、だからこそ満足:劉慈欣『三体』シリーズ

どこで評判を聞いたのか忘れてしまった。書店で見かけたのかもしれないし、周囲にSF好きが結構いるのでその中の1人から評判を聞いたのかもしれない。いや、書評を読んで興味を惹かれたような気もする。どちらにしても『三体』というシンプルなタイトルと装...
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日常につながる冷徹な“ビジネス”デザインの視点:佐藤究『テスカトリポカ』

どうも最近仕事で必要になるビジネス書やら仕事に関係する本ばかり読んでいるな、と思い書店をぶらぶらしていた際に気になっていたのが佐藤究(さとう・きわむ)の『テスカトリポカ』。もともと神話全般やATLUSの真・女神転生シリーズが好きなこともあり...
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利益偏重型企業が生み出す地獄:シェーン・バウアー『アメリカン・プリズン』

最近は様々な企業が持続できるビジネスを実現するために、自社の社会的な存在意義を考えて変革を目指しています。では、逆に思いきり利益を最大化する方向に舵を切ったらどのようになるのか?その疑問に冷酷な現実をもって答えるのが、こちらの『アメリカン・...